「ミュー株」、「新たなデルタ株」はどのくらいの脅威なのか?
ミュー株は2021年1月にコロンビアで世界で最初に見つかりました。 現在はコロンビア(39%)、エクアドル(13%)などの南米諸国で主流な変異株の一つとなっています
9月4日時点で日本を含む46カ国でミュー株が検出されています。
8月30日、日本で初めてミュー株の患者2名が報告されました。いずれの患者も無症状だったとのことです。
東京大学の研究チームによると、ファイザー製ワクチンの接種により得られる「中和抗体」の効き目が、ミュー株の場合は、従来株の7分の1にとどまりました。
ミュー株についてはまだ分かっていないことが多く、現時点ではどれくらいの脅威であるのか判断することは難しい状況です。 現在世界中で問題になっているデルタ株よりも感染力が強いという証拠はなく、現時点では日本国内で拡大するリスクは高くないと思われますが、現在ミュー株が広がっているコロンビアやチリでの、今後のさらなる情報が待たれます。
新たなデルタ株は、2021年8月中旬の新型コロナ患者から検出したデルタ株から、アルファ株の持つ特徴的な変異であるN501Y変異に似た変異である「N501S」という変異を持つ新たなデルタ株が検出されたとのことです。 この患者さんには海外渡航歴がなかったということで、日本国内で感染したものと考えられます。 まだこの変異株は世界で8例しか見つかっていないことから、感染性、重症度、ワクチン効果や再感染リスクに関するデータはなく、今後の知見が待たれます。 少なくとも従来のデルタ株と同様に、感染性の増加、重症度の増加、ワクチン効果の低下という特徴は持つものと予想されます。