国内コロナウイルスワクチンの開発状況
新型コロナウイルス対策の切り札として期待されているワクチン。
接種の状況や供給の見通しなど、国内の動向をまとめました。
10月19日政府より公表時点の国内の新型コロナウイルスワクチン接種した人は、1回以上接種した人は人口の75.5%、2回の接種完了した人は人口の67.4%。
優先接種対象の高齢者では、91.2%が1回以上接種を受け、90.1%が2回以上接種を完了しています。
日本政府が2021年分として確保しているワクチンは、ファイザー製、モデルナ製、アストラゼネカ製の3種類の新型コロナワクチンが使用可能になっています。
国内ではこのほか、今年2月に米国で緊急使用許可が認められたジョンソン・エンド・ジョンソンのウイルスベクターワクチンが5月に承認申請。
武田は、米ノババックスが開発した組換えタンパクワクチンを国内で製造・供給することになっており、2月から初期の臨床試験を行っています。
ノババックスは海外で行った臨床第3相(P3)試験で90%の有効率を示したと発表。9月6日には、来年初頭から1億5000万回分を供給することで厚労省と契約を結びました。
組換えタンパクワクチンは、サノフィとグラクソ・スミスクラインも開発を進めており、今年7月から国内でP3試験が行われています。
日本企業では、アンジェスがDNAワクチンのP2/3試験を昨年12月から行っていて、今年8月には高用量製剤を使ったP1/2試験を開始。
塩野義製薬は組換えタンパクワクチンのP1/2試験を昨年12月に開始し、今年7月からはアジュバントを変更した新たな製剤でP1/2試験を行っています。
第一三共(mRNAワクチン)とKMバイオロジクス(不活化ワクチン)も、今年3月からP1/2試験を実施中です。
塩野義と第一三共、KMバイオロジクスは年内の最終治験入りを目指しており、塩野義は最短で21年度中、第一三共は22年中、KMバイオロジクスは22年度中の承認が目標。
mRNAワクチンを開発している米VLPセラピューティクスは今月から日本でP1試験を始めており、来年春のP2/3試験開始を目指しています。